グルジアのトビリシ出身の中堅ヴァイオリニスト、リサ・バディアシュビリによる、ドイツ・グラモフォンへの移籍第一弾となった“ECHOES OF TIME”(時の谺)と題された2017年発売のアルバム。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番をメインに、カンチェリ、ペルト、ラフマニノフの小品が収録されている。録音は2010年5月にミュンヘンのヘラクレスザールと11月にパリで行われたもので、オケによる伴奏はサロネン指揮のバイエルン放送交響楽団、後者のピアノはエリーヌ・グリモー。EMIのチェリビダッケの多くのライブ録音などでドライな響きの印象があったヘラクレスザール だが、このディスクから流れてくるのはホール・トーンをたっぷり含んだ艶やかなヴァイオリンとオーケストラの饗宴。やや人工的とも言えなくもない、グラモフォンとしては珍しい響きのディスクではあるが、恐らくはアルバムタイトルのコンセプトを意図したものと思われる。ショスタコーヴィチの協奏曲は、ヴァイオリニスト、オケ、録音の三つの水準を充たすディスクがなかなか見当たらない中で、これは現時点でのベター。
おぱぴんさん専用 四つ折り折りたたみベッド -
by Rita Cheung,
2023-09-04